暮らす豆

ゆるい日記など

日記

生きづらい生きもの

11/8駅のホームから改札を目指す。お決まりの案内音声は「ぴぃん、ぽぉん」といった具合、少し嫌味を感じさせる程度には長い。ひとり歩きながら、数時間前の両親との会話を思い出す。そういえば、今の仕事は早くやめた方がいいと言ってくれはしたけど、次に…

橙色

11/5 たった3分待てば電車がホームに滑り込んできて、私はどこへだって行ける。膝に手をやると、どこまでもすべらかなストッキングの感触が恨めしい。 早い方に乗って悪いことはないのに、なぜか急行を選ばず各駅停車に乗ってしまうことがある。不思議とそう…

木立と湖

11/3 本当に全然その気がないのに、ホームに滑り込む電車の音を聞いて、あ、飛び込む?と思ってしまった。いや、何? きっと今の私は冷たい湖に足首だけ浸して、その心地よさに魅了されている。全身を水に沈めるとなると、また話は変わってくる。 でも本当は…

まっすぐな目

『汚れ続けることでしか満たされないのを笑わないでね』 -the cabs「わたしたちの失敗」 やたらに共感を煽ってファンを効率よく獲得しようとする音楽が好きではない。なぜなら音楽を手段として使っているように感じられてしまうから。 音楽の主役はあくまで…

1:37

10/27 仕事で外出する用事があった。電車を使うと遠回りなので、せっかくだし散歩がてら歩いて行くことにした。Google先生によれば37分の距離。 秋の空気は春のそれと似ているけれど、みなぎるような猛々しさがない。笑顔でいることも活動的であることも強い…

朱色

10/25 真面目ってなんなんだろう。 私は人から「真面目」と称されることが多いけれども、自分自身を真面目だと思ったことはそんなにない。 私が真面目だと判定した人は、大抵世間から見ると「真面目じゃない」人だ。どこか感覚がズレているらしい。 こういう…

秋の便り

10/1-5 最寄り駅で電車を降りたら、ふらふらと金木犀の香りが漂ってきた。駅のホームで見かける酔っ払いみたい。私は酔っ払いも金木犀も好きじゃないんだ。 私はどうしても、金木犀の香りから死を連想してしまう。腐りかけた命が放つ、強烈な甘い香り。 家に…

牧歌

9/29 数日前、久しぶりに天地がひっくり返るレベルで落ち込んでしまい、小さく身体をまとめて涙のかたまりをいくつも落とした。 こんなことを書くのは不謹慎だって分かってはいるけど、どうしてあのとき生き続けることを選んでしまったんだろう、思い出と一…

旅のしおり

9/22-23 そもそもの話井の頭線が好きで、なぜかというと思いきり街中を走ってくれるから。高架から広い空を眺めるのも悪くないけど、人々の生活の隙間を縫って進む電車に乗っていると、まるで映画を見ているような気持ちになれる。 乗り換えのときは、いつだ…

yume

前にもどこかで書いた気がするが、心に思い描く「夢」と目をつぶって見る「夢」が同じ単語なの、本当に不思議だ。前者は意識が支配する範疇、後者は無意識が支配する範疇にあって、実は表裏一体の関係をなしているのかな。 書き留めた印象的な夢が少し溜まっ…

呪われないで

9/12-15 久方ぶりの休みだ。 家を出て冷たい雨に降られながら、あ、わたしが戻ってきた、と思った。 本当の自分は奥の奥に押し込めて、仕事をするのに必要な部分だけ使っていた。それらが解き放たれて、五感がふわふわと頼りない足取りで帰ってくる。 やりた…

感情と解像度

9/11 分かっているんだ。私が周りから優しくしてもらえるのは、日頃の行いがいいからでも、好かれているからでもない。それは、腫れ物だから。少し触れただけで大げさに痛がり、泣きわめく人間だと思われているから。そしてその事実にまた傷つく、救いようが…

パッチワーク

9/8-10 赤と青の間に綺麗な一本線が引けるなんて、思い上がらないでほしい。赤っぽくなったり青っぽくなったり紫になったり、時には目の覚めるような緑色になってみたり。狭間で生き続けることを許してほしい。私だけじゃない、誰もがふらふら生きていい世の…

ゆらゆらの月

9/7 半月を見あげる人と友達になりたい。 アドレナリンが溢れ出して止まらない。頭のどこかの堤防が決壊してしまったらしい。よく動きよく笑いよく怒る。私はどこへ行った?思考にもやがかかって、ときどき目の前を何かがよぎる。何が起きている? 最寄駅に…

地下室の窓

9/4-5 「星の王子さま」を電車で読む中学生を見た。 自分が通ってきた道、自分が通らなかった道が一緒くたになって眼前に広がる。中学生だった頃、星の王子さまを初めて読んだ頃、あの頃何かひとつでも違う選択をしていたら、私はここにいなかったのではない…

手記

9/1-3 帰り道、ふと思いついて喉元に両手を回してみたら、汗でじっとりと湿っていて結構いやな気持ちになった。 なろうと思えば、明るくて快活で働き者な人間になることもできるだろう。その事実に気がついてしまって、気持ち悪くなった。 根っこは腐ってし…

湿った砂

8/29-31 うたた寝をしたら、20分の間にいくつもの世界を旅したらしい。目覚めた瞬間それぞれの世界の残り香が鼻腔にほんの少し感じられて、でもそれは一呼吸しただけではかなく消えてしまう。 月が、月が発光している!いや光っているのは当たり前のことかも…

暴かれつつも

8/27-28 超特大にきびができてしまった。ここ最近の不摂生が原因だろう、そんなことくらいは私にも分かる!でもカロリーが高いもの、しょっぱいもの、酸っぱいものは、どうしてあんなに美味しいんだろう。特に酸っぱいもの、お酢って最高だ。どんなにお腹が…

確約

8/25 数日前、ネットで腕時計を買った。もともと時計をする習慣がなかったが(がさつなため)、最近は袖の短い私服を着るたびに「腕が寂しい」と思うようになってしまった。ブレスレットも持っていないし、何か手首を彩るものが欲しかったのだ。後はもっと単純…

夜と車窓

8/20 やってしまった。やらかしてしまった。 おそらく精神が極まっていたであろうときにタスクリストに書き残していた「死にたい」の文字列を、先輩と同期に見られてしまった。本物のアホだと思う。本当に死にたいわけではなく、どうにかして幸せになりたい…

白っぽくてふわふわした

8/17-18 知り合いと付き合う夢を見た。 普段さんざんひとりでいたいと言っているくせに、自分の存在を認め肯定してくれる人がいることの喜びについ浸ってしまった。 しまいには転職する勇気まで湧いてきた。夢の中なのに。 人に愛されることを自分の拠り所に…

見届ける

8/16 また廃人みたいな一日を過ごす。 今日はいろいろしたいことがあった。布団を乾燥させて、部屋を掃除し、たまった洗濯物を片付けて、洗い物もして、映画を見て、好きなアイドルについて紹介する文章を書いて、平日だけでは終わらない仕事に手を付けて、…

絡まる

8/14 仕事に行きたくない。何もしたくない。家から出たくない。 うつむくと、ソファに落ちた3本の髪の毛が寄り集まって、奇跡的に柔らかい三角形を作っていた。ちょっと触れるだけで、この記号は意味のない、ただのゴミに戻ってしまうことだろう。家を出る時…

磨りガラスを挟んだ向こう側

8/12 なんというか。最近、目が曇ってしまっていると思う。 毎日ブログを書く試みは昨年の秋〜冬にかけても密かに続けられていたけど、ちょっとした日々の変化を楽しんだり五感を研ぎ澄ませて美しいものを見つけようとしたりする気持ちが薄くなっている、比…

額で呼吸する

8/11 今日は暑かったらしい。一日中クーラーをかけた部屋の中で仕事をしていたので、私はそのことを知らない。なんと贅沢なことだろう! 社会人になるって開き直るということなのかもしれない。入社したばかりの時よりずっと落ち込んでから復帰するまでが早…

箱舟

8/8 私は「何もしない」才に長けている。そう信じないと頭がおかしくなってしまいそうなくらい、やらなきゃいけないことに向き合えない! 弟がやっているゲームを横でぼんやり眺め、何度も読んだ本をまた読み返す。Wikipediaでおやすみプンプンについて調べ…

トワイライト

8/5 水曜日。金曜日みたいな1日だった。 昨日夜遅くまでお酒を飲んでいたため、朝はそこそこギリギリに目が覚めた。朝ごはんを食べずに出勤。そこまで忙しかったわけでもないのにタイミングを逃し続け、お昼が全く食べられなかった。気が付けば17時半。 さす…

人生の春

8/4 火曜日。私は私だ、ということを夜中にようやく取り戻した。 曲がりくねった道沿いに、茶色っぽい雰囲気のかわいいカフェがある。さらに坂を降りていくと、不思議な品揃えの雑貨屋さんがある。私の住んでいる街によく似ているけど決して交わらない、夢の…

不必要な笑顔

8/3 月曜日。笑ってしまうくらい普通に生きている。 泥のように1日を過ごしても、次の日にはまるでまともな人間であるかのような顔をして生きられる。それが人間でありそれが私! と思っていたら「顔色悪くない?」と声をかけられた。やはり寝不足は身体に良…

極彩色の憂鬱

7/31 金曜日。目だけが冴えていて気持ちが悪くなる。 指の記憶が強い。 中学生の時にやっていたフルートの指遣いを、私はすべて覚えている。聞こえたメロディーを頭の中で再現するときは、今だにフルートの形で指が動いてしまう。肺活量があの時の半分くらい…