絡まる - 暮らす豆

8/14

仕事に行きたくない。何もしたくない。家から出たくない。

うつむくと、ソファに落ちた3本の髪の毛が寄り集まって、奇跡的に柔らかい三角形を作っていた。ちょっと触れるだけで、この記号は意味のない、ただのゴミに戻ってしまうことだろう。家を出る時間が迫る。慎重に立ち上がったつもりだったけれど、やはりそこにかつての記号は残らなかった。

水を吸い切ったスポンジのよう。もう何も入ってこない。これ以上は溢れてしまうからどうかもう放っておいて！そう叫びたくなる1週間だった。

だけど、帰り際奇跡的に同期と2人になってバカ話ができた。

猫を被るという表現があるけど、私は無から猫をわざわざ生み出してそちらを会社に通わせ、自分自身を狭い部屋に閉じ込めているような気がする。

そんな私が100%素の状態で話せるのは、同期だけ。明るい気持ちで帰れるのは、素の自分を解放させてもらえたおかげ。狭いところはどうしても息が苦しい。

今日の一曲:

マーチ/くるり