暮らす豆

ゆるい日記など

手記

9/1-3

 


帰り道、ふと思いついて喉元に両手を回してみたら、汗でじっとりと湿っていて結構いやな気持ちになった。

 


なろうと思えば、明るくて快活で働き者な人間になることもできるだろう。その事実に気がついてしまって、気持ち悪くなった。

根っこは腐ってしまいそうなほど湿っているというのに、私は健康的な作り物の葉をたっぷり茂らせて人々を騙している。ああ。

私の、自分で自分を好きと思える部分は、明らかに根っこの腐りかけた部分から湧き出しているのだ。それらを日の光に晒して乾燥させればもっと楽しく生きやすくなるだろうけど、私は私のことを全然好きでいられなくなってしまうだろうな。今だってそんなにラブ!というわけではないか。

 

 

心がはっきりと涙を流す瞬間が分かった。もう無理だ、と思ったけれど、自分のことでなく他人のことで悲しくなるのは久しぶりだった。よかった、私もまだ人間だったようだ。

 


終電が行ってしまった。自分が悪いんだけど。お金を使うことしかストレス発散の手段がないので、自腹切ってタクシーに乗り夜景を眺めながら帰った。明日のことも明後日のことも知らん、知らん!運転手のおじちゃんは寡黙だったけど優しくて、少し救われた。

 

 

腹黒ってすごいなと思う。どんな人と相対しても、本音を押し込めながら腹の色を保ち続けているわけだから!

私の腹の色は今この瞬間も刻々と変わり続けている。揺るぎない自己がほしいってずっとずっと言い続けているのに。サンタクロースが来てくれる歳のうちに頼んでおけばよかったな。