パッチワーク
9/8-10
赤と青の間に綺麗な一本線が引けるなんて、思い上がらないでほしい。赤っぽくなったり青っぽくなったり紫になったり、時には目の覚めるような緑色になってみたり。狭間で生き続けることを許してほしい。私だけじゃない、誰もがふらふら生きていい世の中になってほしい。
日々目が回るほどに忙しいからか、誰かに抱きつきたい欲が止まらず。身体と心に異常をきたしている感がひしひしと!身体が生命の危機を感じて、種を残そうとしているんだろうか。そうだったら面白いのにな。本能を無視するほかなく、私は毎晩ひとりで過ごす。
夜に散歩したときの静かな興奮が忘れられない。夜は静かで、私は大抵ひとりで、だからこそ昼間より濃密な時間を過ごせる。今は疲れ果てて布団に倒れ込み携帯を眺めるくらいが関の山だけど。
忙しい時期が終わったらやりたいことが山ほどあって、幸せだ!そう思うことにする。苦手なこととか自分の嫌なところばかり思考に昇ってくる。全部わすれたい。毎日歩いてきたので、金色ともピンク色ともつかない光を放つ「やりたいことたち」にあと少しで触れられそうなところまでたどり着いた。手を伸ばすにはとにかく鈍感になること!
定刻。地下鉄が真っ暗なトンネルを這い上がって、ホームへとたどり着く。決まりきった、圧倒的に正しい出来事という感じがして、一緒に上ってきた風で乱れた髪を直すことさえできなかった。
ココアの入った袋、黄色い「冷たい牛乳に溶けます!」の文字を見つめる。口を開けて、ティースプーン山盛り2杯をカップへ運ぶ。こぼさないよう慎重に。
私はその後冷蔵庫から牛乳を取り出し、ひと呼吸おいて一気に注ぎティースプーンで素早くかき混ぜ、そして飲み干す。
溶け残らないよう気をつけたはずなのに、なぜかカップの底には茶色い塊が残った。