/(スラッシュ)
一回温かくなって、その後またすぐに寒くなったので、身体が季節を秋と勘違いしている。
半分嘘だ。
一週間近く部屋の中に引きこもっているために、私にはほんとうの気温が分からない。
窓を開けたとき入ってくる風は、外の空気であって既に内(家)の空気だと思う。
小さい頃「小説をたくさんとピアノを一つ置いた部屋に、いつまでも閉じこもっていたい」と願ったことがあった。あの頃はまだ、ピアノを弾くことが自分のアイデンティティだと思っていた。
今と違ってそれなりに快活な子どもだった時代、それでもそういう願いを持っていたということは、やはり根っから暗い人間なんだろう。
実際にたくさんの本に囲まれ、ついでに好きなゲーム、音楽、漫画、Youtubeの動画やらなにやら手に届く環境で引きこもりをしているが、実際はそんなに性に合っていない、この生活。
私は外の空気を吸いながら歩いたり、自転車に乗ったりすることが好きだ。
それができないと、古い二酸化炭素がいつまでも胸のあたりにわだかまって、どうでもいいことにこだわり続けてしまうような。
毒気が抜けていかないような、そんな錯覚にとらわれてしまう。
いや、これも半分は嘘だ。
出社しなくていいのは、まぎれもなく幸運なことと言えるから。
最近、ゲーム実況集団『ナポリの男たち』にハマり、ニコニコ有料会員になった。
以前から切り抜き動画のお世話になっていたが、生放送が聞けるのとアーカイブがいつでも楽しめるのとに惹かれて、気が付いたら入会していた。
入会の決め手になったのは、こちらの切り抜き動画*1だ。ゲームをしているけど全然ゲームをしていない。これは矛盾のない文章です。
「野菜の話をして精神的に不安定になる」という、タイトルからして意味不明の動画だけど、見たらタイトル通りの内容だ。視聴者は二度困惑することになる。
コメント欄の「理知的なメンヘラ」という表現が本当に言い得て妙、シンプルに好きなんですが、どうしてYoutubeのコメントには一度しかいいねが押せないのか。
何か同じことをし続けていたり真夜中になったりすると、自分でも制御できない何かのアクセルを間違えて踏んでしまう瞬間がある。
その感覚がリアルで、共感性羞恥とも違う何らかの感覚にウワァーッと襲われるけど、同じように疲れている周囲が一見雑に(その実たいへん丁寧に)フォローしていて、そこまで含めた空気感のリアルさ……
百人が百人好きなカレーでも揚げパンでもないけど、実はちょっと好きなチリコンカン*2が給食に出て、誰にも言わずニヤニヤしている。そんな気分になる。
もともとゲーム実況者に対してあまりいい印象がなかったというか、イキリ陰キャ集団だろ……と斜に構えて見ていた節があったけど、彼らはイキリではなく真の陰キャ集団なので、見ていて本当に安心する。介護疲れにも効く。いずれガンにも効くようになるだろう。