泥舟
7/2
木曜日。また目が回るような一日だった。
ワイヤレスイヤホンを使っているのだが、ケースのボタンを押すとぱかっと蓋が開くのがとてもいい。中で電源ランプがちかちかきらめいて、ジュエリーボックスみたいだ。しかも耳にはめて音楽を流すと、いつでもどこでも幸せな気持ちになれる。
音楽のある生活に慣れすぎているし、生きていく上で必要な気持ちを音楽に使いすぎていると思う。こんな形でしか私は生存できなかったので、しょうがないか。
人をダメにするソファの上でダメになっている。
理由が分からないけど気持ちがまた落ち込んで浮上してこない。自分にできることなどそもそもないし、自分が行動せず頭の中でこねくり回し続けている論理はたぶんなんの役にも立たないものだし、それらをうまく隠して社会人の振りをしなければいけないし、生きるってなんなんだろうな。
世にも奇妙な物語に「ズンドコベロンチョ」という有名な話がある。
ある日を境に自分以外全ての人が「ズンドコベロンチョ」という謎の言葉を当たり前に使うようになる、という話だ。
「社会人」という言葉は私にとってのズンドコベロンチョだ。誰にも教わったことがないのにいつのまにか当たり前のように社会人らしく振る舞うことを求められるようになる。
社会人って何?みんな本気で考えたことがあるのか?社会にとって都合のいい人間、という意味でその言葉を使っていないか?
今日の一曲:
優しくしないで/cinema staff