題もつけない
なんだか、生きたいように生きるには人生は短すぎるな、とずっと思っているような気がする。
世界はばか広くて、私の見たことのない空も読んだことのない本も聴いたことのない音楽も星の数ほどあって、そしてその中には、私が一生をかけて大事にしたいと思えるものがきっとたくさんあるはずなのだ。
でも、現実にはそれらに出会えないまま歳をとる。身体は老いていくし、その他に社会的な制約も多くなっていくだろう。例えば仕事で一定の地位を得て、気ままに暮らすわけにはいかなくなる、とか。
だから私は自分を責めるのをやめた。それが自分にとって一番もったいない、時間を消費する行動だと判断したから。
暗くて後ろ向きなところが私の源流で、それを断ち切ったらもう何も出て来なくなってしまうんじゃないだろうかと考えて、そしてその貧困な考えにも嫌気がさしていたけど、自責の念を捨てたらまるで羽が生えたように自由になった。
自由になった、けど、依然として人生は短い。
私が成し遂げたいことは、死ぬまでに半分も達成できないような気がする。
ぜんぜん時間が足りないぞ。どうしよう。