脳みそが望むなら
1
大人になってから、めっきり走ることが少なくなった。だけど大人だって、心が突き動かされたときは走っていいはずだ。今日わたしは走った。大好きなもののために。体がいくらきしもうが、知ったことはない。走る走る。
2
わたしの頭の中身は、誰も知らない。どこまで切り取って見せてもそれは単なるひとつの面でしかなく、ひとつの塊としてわたしの思考を把握できる人間は当然自分しかいない。わたしの考えは、わたしが口に出さなければ誰にも知られないものだ。抱えきれない。怖い。
3
つらい毎日を耐えるために、趣味があるのではない。
趣味は生きる意味そのものであって、それ以外は取るに足らないものだ。…
本当に愛しているものに触れると、そんな暴論さえ当たり前のことに思えてくる。