暮らす豆

ゆるい日記など

向こう岸が遠い

月曜日。一日中在宅で仕事だった。

気圧のせいか気持ちのせいか、昼過ぎくらいからどうにも頭と肩が重くて集中できなくなってしまった。

BluetoothスピーカーをONにしてお気に入りの音楽をかけ、身体のだるさをごまかす。

たぶん音楽を聴きながら仕事をしていることがバレたら怒られるんだろうけど、ちゃんと仕事をやっていさえすれば私の部屋は私の自由だ。

誰に文句を言われる筋合いもない、言わせない。

 


肩が重くなると、高校の時同じ部活だった原ちゃんを思い出す。

原ちゃんは身体が大きくて、とても優しい子だった。

放課後肩こりがひどくてぴーぴー騒いでいた私に、肩もみ得意だからやってあげようか、と声をかけてくれたのが原ちゃんだ。

原ちゃんはその優しい笑顔からは想像もつかないくらいパワーがあって、ちょっともんでもらっただけで肩こりは霧散したのだった。ありがたや。

 


社会人になった私には、肩もみ得意だからやってあげようか、と優しく声をかけてくれる原ちゃんのような友達がいない。

仕方ないので仕事を早く切り上げて、まばらに雨の降る夜道を歩いて大きなドラッグストアへ向かった。

ドラッグストアはやたらと広くて、外から見たらやたらと青白く光っているのがいいな。

飾り気も何もない光だけど今日みたいな雨の日はぼんやりと滲んで、まあ悪くないと思える。

なんてことを考えながらちょっといい目薬を購入。

 

満たされた気持ちでドラッグストアを出てすぐ、あることに気づく。

がさがさビニール袋を漁って買ったばかりの目薬を取り出すと、やはり。「ソフトコンタクトレンズ着用中に使用しないでください」の文字。

私は四六時中コンタクトレンズをつけて生活しているので、外しているわずかな間を狙わなければこの目薬を使うことができない。

こういう、ちょっとしたことに気づくのが絶望的に下手くそなんだよなあ。気づかなくていいことにはばんばん気づいてしまうというのに。

明日から眼鏡で生活するか、それとも無理してコンタクトを使い続けるか。こんな簡単な問いにもなかなか答えを出せずぶらぶらと家まで歩いた。

 


今日の一曲:

Between Tides/DIIV

https://music.apple.com/jp/album/between-tides/1471150249?i=1471150377