暮らす豆

ゆるい日記など

ハロー

1

ベビーカーに乗った赤ちゃんが、安らかに眠っていた。

目尻には涙の跡がくっきりと残っている。いいぞ、あと何回でも涙を流すんだ。赤ちゃんが幼児になって、学生になって、大人になって、いつか老いても。涙の跡を残すことが許されない人間なんて、この世に一人たりとも存在してはならない。

 


2

これはもう宿命みたいなものなんじゃないかと覚悟はしているけれど、自分がどんな人間なのか未だに全く掴めない。鏡を見つめるがごとく自分の内面のことばかり考えているせいで、自分が何者なのか余計にわからなくなってしまった。

ゲシュタルト崩壊とはちょっと違う、見つめれば見つめるほど、どんどん自分という存在が実体を失って霧散していく感覚。

自分らしさというのは求めるほど、突き詰めようとするほど、捉えるべきでないものとして立ちはだかる。圧倒されてしまいそうになるけれど、きっと自分らしさを少しでも掴むまでわたしの旅は終わらない。