わたしは草になりたい
1
時々、道端にへたりこんでしまいたい衝動に駆られる。
別に具合がよくないとかそういうことではないので、本当に体調が悪く休んでいる人からしまらはた迷惑な話だ。なのであまり実行に移すことはない。
アスファルトの上にぺたんと座って、道端の草や踏みつけられた煙草なんかと同じような存在になってしまいたい。
なぜだかわたしには、それがストレス発散になる気がしてならないのだ。
2
仕事中、おつかいに出た。
ありきたりだけど、このまま2度と帰りたくないな、と思う。お駄賃に持たされた3万円と携帯だけ持って、すべてからエスケープできたらな。
3
まだ今日は満月ではないけれど、紺色の雲がうっすらとかかった様子はげに美しかった。げに。
何事においても、完璧なものよりちょっと足りないくらいのものに心惹かれてしまうのはなんなんだろう。そんな自分が好きなだけだろって言われたらつらいけれど、たぶんそれだけが理由じゃない。